皆様、こんばんは!
Dr.Kobaです。
今日の話は男性不妊についてです。
精子がいない状態を無精子と呼びますが、なんとそれが100人に1
人の割合なのです。
これを多いととるか少ないととるか。
僕は初めて聞いた時、多いなと思いました。
なぜならこれは特別な人ではなく、普通にセックスをして射精をする男性に生じることだからです。
自分には関係の無いと思っている殿方にも、十分起こりうることなのです。
精液の色は白っぽいですが、あの色は精子の色ではありません。
あれは前立腺や性能で産生される精液の液体成分ですので、精子がいるかどうかは別問題なのです。
閉塞性無精子症とは精子の通り道、特に精管が閉塞(生まれつき精管が存在しない人もいます)している場合です。この場合は射精した精液中に精子がいない状態で、精巣(きんたま)には精子が存在します。
ちなみに、性感染症で有名なクラミジアは、精管を炎症により閉塞させてしまう危険性があります。
なのでクラミジアは早期の治療が必要です。
話がそれました。
閉塞性無精子症の場合は、手術(精巣を切って開く、精巣精子採取術;TESE)を行うことでかなりの確率で回収することができます。
しかしながら、非閉塞性無精子症はTESEを行っても精子が取れる確率は20-30%です。
原因は多くは不明なことが多いですが、様々な遺伝子異常が指摘されています。最も有名なものはAZF遺伝子です。
AZF遺伝子とはAzoospermia factor 、Azoospermiaとは無精子症、直訳すれば無精子の因子、です。
AZF遺伝子は性染色体であるY染色体にあります。Y染色体といえば男の遺伝子です。
AZF遺伝子はさらに、a,b,cの領域に細分化されます。
医学のあゆみ Vol.204 No.13 より引用
AZFa,b微小欠失の場合は、ほぼ精子を見つけることは期待できませんが、c欠失の場合はTESEにより精子の回収が見込めます。
不妊のカップルは5-8カップルに1カップルと言われ、少なくありません。
女性に原因がある場合が50%、男性に原因がある場合が25%
男女に原因がある場合が25%と言われています。
男性が原因の確率は50%近くに登ります。
無精子症とは行かないまでも、精子の動きが悪い/少ないなどの男性も多いです。
精子がいない/少ない/元気がない
などは様々な原因があります。治療により改善することもありますので男性も受診しましょう!
不妊治療には男性も無関係ではありません。
不妊治療にはカップルで取り組みましょう。
Dr.Koba