皆さん、こんばんは。
Dr.Koba です。
表題の通り、現実には思いも寄らない男性を困らせる病気があります。
ペロニー病(Peyronie's Disease)、日本語では 陰茎硬化症と言います。
陰茎海綿体を覆っている白膜にしこりができ、屈曲をきたします。
勃起時の疼痛、性行為不可、精神的ストレス、ED、などの問題が生じます。
海外での報告ですが
一般男性の 3−8% に認められるそうです。
さらに原因は不明ですが
前立腺癌術後の患者 15%に認められたという報告もあります。
参考文献
1) Peyronie's disease (CME). - PubMed - NCBI
2) ED診療ガイドライン
治療は
①ビタミンなどの内
一般的にはビタミンEやビタミンCなどの抗酸化療法が行われます。
しかしながら効果があるとはいいがたくED診療ガイドラインでも推奨度Dとあまりお勧めされておりません。
他には抗アレルギー薬であるトラニラストというお薬も使われるようですが、効果のほどはなんとも言えません。
②ステロイドやCa拮抗薬などの陰茎への局所注射
ステロイドの注射をすることで、改善することが報告されています。疼痛は改善の見込みが強いようです。
Ca拮抗薬の局所注射は残念ながら日本では保険適応外です。海外の報告によれば効果が見込めるとのこと。
③手術
陰茎白膜の肥厚した部分を切除する方法があります。シンプルで改善が見込めますが切除する距離で陰茎が短くなってしまいます。
あまりに肥厚した部分が長いようなら考えなければなりません。
それを克服するために切除した部分に他のものをあてがう(植皮)方法があります。
静脈や頬粘膜、陰嚢しょう膜などが使われます。
陰茎は短くなりにくいですが、手術は侵襲が大きくなり大変です。
①②の効果は限定的で根治療法は基本的に手術になります。
悩んでいる方は診療可能な泌尿器科に受診してみてください。
Dr.Koba