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京都ルネス病院メンズヘルス外来 診療中 泌尿器科専門医であり、メンズヘルスケアをライフワークとするDr.Kobaが、いつまでもカッコよく元気で過ごすため秘訣を伝授!

MHH かも。若い男性のテストステロン低値、、、EDと無精子症の原因かもしれません

皆さん、こんにちは。

Dr.Koba です。

 

この前までは元気だったのに、、、

突然性欲がなくなったり、EDになったり、射精できなくなったり、何もやる気が起きなくなったり

このようなことは起こり得ます。

 

しかも20代、30代で起こることもしばしばです。

 

原因で最も考えられるとしたら うつ病 です。

ストレスにまみれた現代は、非常にうつ病になりやすい社会です。

特に、古来からの根性論とパワハラの横行する、そして自分のコミュニティを脱落していく人間が弱者だとみなす傾向のある日本ではうつ病に非常になりやすいです。

うつ病をこじらせると非常に厄介ですので、おかしいな、と思った方はすぐに心療内科や精神科を受診しましょう。実際なかなか受診する時間も取れないことが多いことも問題です。

うつ病はそちらの専門の方に任せるとして

 

このような病態のもう一つの原因(男性では)、そう

男性ホルモン低下症男性更年期障害、LOH症候群)ですね。

これらの病態はこのブログで何度も取り上げているので、そちらを参考にしてください。

doctorkobakoba.hatenablog.com

LOH症候群であるなら、テストステロンを補充して元気になります!

しかしながらそれだけでは済まない場合があります。

それは、20代・30代の若い人の場合です。

そもそも

LOH症候群は Late-onset hypogonadism 加齢性男性性腺機能低下症

です。

基本的には正常だった男性がミドルエイジくらいに男性ホルモン低下に至るものです。

 

若い人のテストステロン低値は

低ゴナドトロピン性男子性線機能低下症

Male Hypogonadotropic hypogonadism;MHH

を疑わなければなりません。

これはどういうことかというと

テストステロンは精巣(タマ)で作られますが、これは脳からテストステロンを作りなさいというホルモンによる指令が出ているんです。

脳の下垂体というところから LHとFSH というホルモンが出ています。

これが、成人になって急に出なくなることがあります。

LHは黄体形成ホルモンといい 男性では テストステロンを作るホルモンで

FSHは卵胞刺激ホルモンといい 男性では 精子形成に重要な働きをします。

なのでMHHの患者さんは、男性更年期症状と無精子症精子がいない)状態です。

 

LH ➡︎ テストステロン

FSH➡︎ 精子

というわけです。

 

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http://www.mhh-japan.com/mhh/ より引用

 

この病態では テストステロンより上位の LHとFSHが分泌されていない

ことが原因なわけです。

 

LOH症候群 ; テストステロン不足

MHH ; LH不足によるテストステロン不足、FSH不足による精子形成不全

 

ここで重要なことは 

FSH不足による精子形成不全=無精子症

 です。

テストステロン不足はテストステロンを補充すれば症状改善しますが、精子不足は精子を補充するわけにはいきません。

ならどうすれば良いか

FSH製剤(ゴナールエフ®︎)が発売されているので、補充すれば精子の復活が望めます

 

MHHではほぼ確実に無精子症ですが、補充することにより時期が適切であればかなりの確率で精子を採取することができます(ホルモン補充により精子が復活する可能性があります)。

精子を採取できれば子供を授かる可能性がでてきます。

テストステロンが低くてLOH症候群だといって、テストステロンだけ補充しても精子の問題は解決しません。

MHHは頻度は低いですが 1人/10000人の発症率で密かに男性不妊症の原因でもあるのです。

無精子症が1/100人と言われていますので、無精子症の方のうち

 

LH/FSH分泌不全に稀に下垂体腫瘍などを合併していることがあるので、その除外も必要です。

 

一言にテストステロンといっても、しっかりとした診断が大事です。

 

実際に MHHの患者さんでも適切な検査・治療を受けることができずテストステロンだけ補充(ひどい場合にはうつ病と診断されて鬱の薬を処方されている)という例もあります。

 

MHH実は二次性徴が来ないということで学童期に多いのです。

お子さんの二次性徴が遅れている方も、医療機関を受診してみましょう。

 

 Dr.Koba