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京都ルネス病院メンズヘルス外来 診療中 泌尿器科専門医であり、メンズヘルスケアをライフワークとするDr.Kobaが、いつまでもカッコよく元気で過ごすため秘訣を伝授!

質問箱

皆さま、おはようございます。

Dr.Koba です。

 

質問をいただくことも多くなってきましたので、質問について回答したものを

共有したいと思います。

 

Q1
・糖尿病患者は勃起しない、と聞いたことがあるのですがそれは
 動脈硬化が原因なのでしょうか?尿毒症物質が直接関与しているのでしょうか?


A1
糖尿病は血糖が過剰もしくくはインスリンの分泌不足により、細胞内へ取り込まれず糖によって血管が劣化して行くということが病気の本体です。
なので、微小な血管から血管が痛んで動脈硬化や狭窄・閉塞が起こります。
動脈硬化とは狭義の意味では石灰化などが起こり動脈の弾力が低下することですが、血管が劣化すること(硬化、狭窄など)と考えると理解しやすいです。
血管が狭窄・閉塞をきたすことでその臓器に問題が出ます。
腎臓の血管→腎機能低下
目の血管→網膜症
神経の血管→神経障害


となると
おちんちんの血管 → 勃起障害


となります。
特におちんちんの血管は小さいので、まず症状が出やすいですし、細いため閉塞しやすく重篤になりやすいということです。


また尿毒症物質についてですが
血管のダメージとなる可能性があること
プロラクチン産生、テストステロン抑制などにより勃起障害につながる可能性があります。


Q2
性感染症で一番おすすめの抗生物質はなんでしょうか?
 個人的にはジスロマックのドライシロップを指名しているのですが、
他に良い選択肢はありますでしょうか?


A2
性感染症の種類によります。
性感染症は様々ありますが、代表的なものは
淋病(淋菌感染症)とクラミジア感染症 です。
その他、HIVB型肝炎C型肝炎、尖圭コンジローマ、毛じらみ、膣トリコモナス症、梅毒、など様々なものがあります。


淋病
ジスロマックは効かないことが多いですので、注射が一般的です。
セフトリアキソン点滴、トロビシン筋肉注射です。
淋菌はおちんちんだけでなく、喉(咽頭)にもかんせんすることがあります。(フェラチオ経由ですね)
トロビシンは咽頭の淋菌には効きにくいというデータがありますので、
淋菌感染症にはセフトリアキソンの点滴がおススメです。


クラミジア
これはジスロマック一択なのが現状です。(ジスロマックの指定正解です笑)
ジスロマックSR、もしくは ジスロマック1000mg 内服です。
どちらも単回投与でOKです。
クラビットクラミジアに効果がありそうですが、ほとんど耐性菌になってますのでお勧めできません。


淋病とクラミジアはダブル感染も多いです(特に性風俗店やコンドームを使用しない女性)


怪しい場合は セフトリアキソン点滴&ジスロマック のダブル内服を推奨します。(保険が効かない場合あり注意が必要)


付け足し
梅毒も最近増加傾向であり要注意な疾患です。
ペニシリン系の内服をします。


Q3
ハードな自慰行為をし過ぎていると、勃起しない?射精しない?どちらが正確なのでしょうか?


A3
射精しない、が正確です。
ハードな自慰行為でも快感を得られているのなら興奮しており、勃起するはずです。
ただしそれを求めるあまり、女性とのセックスに物足りなくなるようならEDになります。
ハードな自慰行為(強すぎるグリップ、ゆかおな、角オナ)などは、刺激が強すぎるため、膣での刺激では射精できなくなります。
これを膣内射精障害と言います。

 


Q4
早漏の治療にいわゆる寸止めが有効との噂を聞いたことがありますが、有効なのでしょうか?


A4
はっきりとしたエビデンスがあるわけではないことをご理解ください。
僕の考えになりますが


寸止めは効果があると思います。
特にオナニーでも早い人は、セックスではほぼ確実に早漏でしょう。
気をつけなければならないのは、オナニーですぐにいく、ということを繰り返していると少しの刺激でいくような反射付けが起こってしまいます。
なので少しいきそうになったらやめる、ということを取り入れるのは賛成です。(セックスでも使える手段です、これを普段から習得しておくことは有用ですね)
ただし、気をつけなければならないのは行きそうになっていっているにもかかわらず根元を締め付けて射精しないようにだけする方法です。
これは精液の逆行をきたしてしまうので害です。
あくまでも寸止めとはいく手前で止める行為であり、精液をださないようにすることではないことを肝に銘じておいてください。
いってドクドクといっているにもかかわらず、根元でしめつけて精液を出さない行為は、寸止めではないのでご注意を。
精子の通り道に負担をかけることにもなります。


Q5
男性ホルモンを上げることが重要とのお話でしたが、高値を保ちつつハゲ(AGA)を防止する工夫があればお聞きしたいです。


A5
AGAの原因はテストステロンではなくその代謝産物の
DHT(デヒドロテストステロン)です。
これはストレスで増加することが報告されています。
また、男性ホルモンを高く保てばDHTの産生も抑制される傾向になります。
その他、女性ホルモン物質(大豆製品、納豆、豆腐、豆乳など)がDHTを抑制すると言われています。
また、ノコギリヤシもDHTの産生を抑制すると言われています。
テストステロンが低下すると、体が男性ホルモンを求めて
テストステロンからDHTに変換を促します。
DHTの作用はテストステロンの10倍と言われています。
テストステロンとDHTの比が大事との報告もあり
できるだけテストステロンを高く保ち、DHTの割合を少なくすることが肝要です。
筋トレして、しっかり睡眠をとって、野菜とタンパク質をしっかり食べる。
素敵な男性になることが、AGAを遠ざける近道です。
素敵な男性になれれば、AGAも気にならない!?

 

Q6

メンズヘルスで重要なのは、恥ずかしがらずに正直に話すことだと思いますが、
 一般的に外来で皆さん正直に話してもらえるのでしょうか?
 また話させるテクニックがあれば教えてください。

 

Q6

メンズヘルス外来に受診してくれる方は、悩んでおられる方が多く、悩みを正直に答えてくれる方が多いです。

とは言え、正直に話すことに抵抗がある方も多いことも事実です。

テクニックというほど、高尚なものではないですが、あまりせかさずゆっくりと話を聞くようにしています。

また、雑談の中で多くの同様の悩みを抱えている方は世の中にたくさんいて、その悩みは不思議なことではない、ということが伝わるようにしています。

また、女性がいると話しにくいこともあるので、看護師さんに退席してもらって男2人での会話とすることもあります。

 

色々と質問をいただき非常に嬉しく思います。

 

皆さまからの質問もお待ちしております。

 

 Dr.Koba