よく話を聞きます
「おちんちんの皮を剥く練習はいつからしたら良いですか」
特にはじめての男の子の親御さんたちは心配事の一つでしょう。
特にお母さんは自分についていないので不安が大きいと思います。
まず大事なこととして
・思春期までは剥けなくても焦る必要はない
・安易な剥きトレは危険
・思春期を超えても剥けないようなら真性包茎の可能性もあるので泌尿器科受診を
・繰り返す亀頭包皮炎には包茎手術も検討
・生まれたては真性包茎
生まれた時はまず真性包茎です。
生まれた時に剥けているとおちんちんの成長に問題がある可能性が出てきます。
小児泌尿器疾患、例えば尿道下裂(尿道がおちんちんの別の場所に開口する)などの可能性があります。
また、生後数ヶ月は包皮と亀頭が癒着しているので、この時期に剥きトレをすることは控えましょう。激痛ですし剥けません。
6ヶ月ほどすると包皮と亀頭との癒着も剥がれているので
開始するとしたら早くても生後3ヶ月が望ましいと思います。
・おしっこが皮で溜まってい出るのを邪魔しているような気がする
赤ちゃんがおしっこをする時は、まだ包皮輪が狭いので尿が鬱滞します。
これはバルーニングと言われるもので赤ちゃんでは普通のことですので気にしないで大丈夫です。
・剥けていると尿路感染症の頻度が低下する
アメリカの報告で環状切除を行なった小児では尿路感染症の頻度が低下するという報告があります。
これは確かなようですが、もしなったとしても通常は抗生物質の投与で改善しますし
1歳以上になると尿路感染症となる頻度は低下します。
衛生環境の寄与も大きく剥くことよりは清潔に保つことが大事かと思います。
・恥垢が気になる
恥垢が溜まることにより包皮と亀頭が離れ皮が剥けやすくなります。
これも成長での通常の過程なので気にする必要はありません。
剥くことによるメリットは
・しっかり剥いて洗うことができる
・尿路感染症になるリスクが下がるかもしれない(剥けることと包茎手術は異なるため)
正直、剥けるようになることにデメリットはないように思いますが
安易な剥きトレには危険があります。
・十分に皮の穴が大きくなってない時に無理に剥いてしまうと、亀頭の下で皮が亀頭の首を締めてしまい、痛みを伴う嵌頓包茎(かんとんほうけい)という状態になってしまうことがあります。この状態になると速やかに整復(皮を戻してあげる)ことが必要になり、下手をすると、手術というケースもあります。
・さらに包皮に傷がついてばい菌が入ってしまい亀頭包皮炎になり、炎症後に瘢痕化を起こし皮の穴(包皮輪)が狭窄してしまうこともあります。
・剥きトレを行う際は優しさを持って愛護的に十分注意して行うようにしましょう!
不安があれば主治医の先生、近くの小児科の先生に相談しましょう。
安全にやれば剥きトレも問題ないと考えますが、
上記のように思わぬトラブルがありますのでしっかりとした知識を持ってやりましょう。
まとめると
・生まれてすぐは真性包茎(剥けなくて)で当たり前
・やるとしたら早くても生後6ヶ月後から、遅くても思春期までには開始
・嵌頓包茎や亀頭包皮炎に注意して優しく
・思春期すぎて剥けないなら真性包茎の可能性あり泌尿器科の受診を
・仮性包茎は恥ずかしいことではないので大きくなって子供さんの意思に任せましょう