皆様 赤玉 というものを聞いたことがあると思います。
一般に赤玉とは
射精した際に赤い玉のようなものが出て、性交渉(射精・勃起)がもう一生できない、最後の打ち止めであるとの合図
と恐ろしいことが言われています。
クピドの悪戯はこの赤玉をモチーフにした漫画でとても面白いものです
ぜひ一度、読んでみてください!
ネットで検索しますと
射精には回数が決めれらており最後にその赤玉が出る
パチンコの赤玉(昔のパチンコ屋さんでは打ち止めの合図として最後に赤いパチンコ玉が出たらしい)から由来している
などの説が有力ですね。
科学的なそれっぽい意見として
性病、尿管結石など血が出そうなことにも関連づけられてました。
そもそも赤玉は存在するのか?
これが出たら終わり!という明確なものではないと思いますが
射精した際に赤い精液が出るということであれば
赤玉は存在します!
射精した精液が赤い(赤っぽい)ということは十分あることで
臨床的にもよく遭遇します。
血精液症
というものがあります。
射精して精液が赤っぽいと
赤玉だ!
と思いますよね。
血精液症をきたすものとして
前立腺出血・前立腺炎、精嚢出血、前立腺癌、射精のしすぎ、前立腺生検後 などがあります。
前立腺癌で血精液症状をきたすことは稀ですので、前立腺出血・前立腺炎、精嚢出血が主ですね。
前立腺・精嚢というところは精液の液体(前立腺液・精嚢液)を分泌する大事な部分です。
ここに炎症が起こると出血して赤くなることは想像に難しくありませんね。
赤玉が出るケースとして
①射精のしすぎ
②ある程度の年齢で打ち止めの合図
が挙げられます。
①射精のしすぎ
これで赤玉が出ることは十分に考えられます。
なんでも使いすぎは血が出ます。
目の使いすぎは充血・結膜下出血、運動のしすぎは血尿・筋断裂による血腫の形成、ストレスによる胃潰瘍からの出血、吐きすぎによる吐血、なんでもやりすぎは不調をきたし出血のリスクがあります。
射精のしすぎも同じです。
前立腺は血管が豊富ですので、射精のしすぎで出血をきたす可能性は十分にあります。
また、やりすぎは前立腺炎を誘発する可能性もあります。
僕も5回連続で精液検査をした際には不調になり内服による加療に追い込まれました笑 おそらく軽度の前立腺炎になっていたと思います。
この時は赤玉は出ませんでしたけどね。
②ある程度の年齢で打ち止めの合図
前立腺が慢性的に炎症を起こす慢性前立腺炎という病気があります。
これは40歳以降のミドルエイジに多い病気です。
そうですね、40歳というとEDになってくる年齢です。
慢性前立腺炎になり血精液症となるタイミングとEDになるタイミンが同世代なんですね。
このタイミングが重なると 赤玉がでるともう性交渉ができない ということに繋がるのも納得です。
昔の人の知恵ですね。
ちなみに昔は前立腺癌は発見することが難しく、進行した状態で見つかる非常に怖いガンでした。
なので前立腺癌でも血精液症が起こることは十分に考えられます。前立腺癌も50歳以上が好発年齢なので、EDと重なりますね。
ちなみにロードバイクなどの硬いサドルは前立腺を直撃して長時間のライド(運転)は前立腺に悪いことが報告されています。
性病で赤玉が出ることは稀です。
よっぽど炎症が強いと血精液症となるでしょうが、その時にはオナニーをしている場合ではありません。激痛です。
尿管結石についても同様。
起こるとすれば血尿でしょう。
ただ前立腺結石というものがあります。これによる血精液症状は考えられます。
まとめ
赤玉とは血精液症のことであり、それの主な原因は前立腺・精嚢からの出血である。
前立腺炎・前立腺癌は40歳以上のミドルエイジ・老年期に起こる病態であり
EDの好発年齢と重なる。
以上のことから
赤玉が出ると最後の射精・勃起の合図である
と繋がったのではないかと考えられます。
パチンコの赤玉はこの事実にインスパイアされたものなのか、パチンコからインスパイアされて赤玉という言い回しになったのかは僕にはわかりません。
ただ、赤玉(精液が赤い状態)は存在します。
原因として
①前立腺出血・精嚢出血
②射精のしすぎ
③性病(稀)
④前立腺癌(稀)
⑤原因不明
です。
赤玉が出たと言っても焦らず、泌尿器科を受診しましょう。
今はEDのいい治療があるので復活可能です。
Dr.Koba